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宏ちゃん

昨日職場の人に、初めて母のことを話した。
なんと声を掛けたらいいか、
とても戸惑っていたようだったが
なんでも相談して。
なんとでもなるんだから。
親は大事だから。
と、力強く言ってもらえて
ほんの少し心が軽くなった。

帰宅がいつもより遅くなった。
締まっているはずの玄関の鍵が開いていて
締め忘れたのかなと思いつつ
様子を見に母の部屋に入ると
深刻な面持ちの母がベッドに座っていた。

「さっきね、1時間前、
急にお腹が痛くなってね
動けないほどの、今までにない痛みで。
宏ちゃんに電話したらね
今から来るって」

ああ。
だから玄関のドアを開けておいたのか。
宏ちゃんは20年来内縁関係にある人だ。
我が家から電車で2時間の所から
ほぼ毎日、母の様子を見に来る。

夜中11時過ぎ、宏ちゃん到着。
とてもとても心配そうな顔をしていた。
宏ちゃんはいい人だけど
口臭も体臭も煙草の匂いが染み付いていて
私は少し苦手だ。

10分位話して様子を伺って
安心したのか
もしくは居たたまれなくなったのか
宏ちゃんは帰った。

母は強い痛み止めを飲んで
眠りについた。

母が居なくなった後のことを
色々と考える。
この家に住み続けるのか。
母のモノはどうしようか。
宏ちゃんとは繋がりを持ち続けるのか。