無題

明日、母が入院する。
今日の午前中に、入院を決めた。

一昨日から食事の量が減ったこと。
トイレに1人では行けなくなったこと。
夢と現実の違いが分からないこと。
突然脈絡のないことを言うこと。

これらの症状を医者に伝えると
末期特有のもので
あと数週間、6月越せるかも危うい
とのこと。
在宅でのケアも可能ではあるが
病院での最期を勧められた。

母は
トイレが1人で行けなくなったら
入院させてくれと言っていた。
食事が摂れなくなったら
点滴もせず、延命もしないで、と。

私は、母を尊重する。
いよいよ、入院か…と
さみしくもあり、少し安堵もあり。

せん妄なのか?脳への転移なのか
意味不明なことを言う。
「料理を出さなきゃ」
「お客さんが来る」とか
真夜中に急に歌い出すとか
「私の子供はどこ?」と娘の私に
心配そうに尋ね、
みーちゃんがママの子供だよ、と答えたら
「じゃあ私の孫は?どこにいるの?」
と真顔で訊いてきて
居ないよ、作る相手が居ないww(泣
と答えたら
心底がっかりした顔をされた。

子供なんて、今の時代、
必ず産まなきゃいけないって訳じゃないし
みーちゃんの好きなように生きれば
孫なんて期待してないから

なんて言ってたくせに
『親に孫の顔を見せてあげたかった』
っていう、ありふれた台詞を
私が吐くなんて思いも寄らなかった。

今日は一日中、母のそばで過ごしている。
足先もお腹もぱんぱんに膨れている。
少しでも浮腫が軽くなるように
冷えないようにマッサージする。

会話の途中で意識を失うように眠り
眠りから覚めると、
寝てしまっていたことに恐がる。
眠りと死は似ているのだろうなぁ。

母と抱き合った。
小学校の頃は、母のベッドで
よく一緒に眠ったものだ。
30年ぶりに、母と抱き合って寝た。

泣くまいと頑張っても、
涙が出てしまう。
母は泣かない。
「もう、覚悟は出来てるから。
誤魔化さないから。
なんとか頑張れば生き延びられるとか、
奇跡が起きて元気になるとか、
もう、諦めてるから。」

さめざめと泣く私に
「なんでも言ってみなさい」
となだめてくれた。

さみしい。
これまで言わないようにしてたけど
さみしい。って言ったら

「よく分からないけど…
多分、ママはずっと
みーちゃんのそばにおるよ。
遠く離れたところから
煙たがられないように。
煙たがられると、ママはかなしいから
離れたところからずっと見てる。
だから、こんなことを言ったら
ひどいと思われるかもしれないけど
ママは全然さみしくない」

私は、生まれてきてよかった。
ママの子に生まれてきてよかった。

「ごめんね。
全然いい親じゃなくて
不真面目だったかもしれないけれど
子育てが楽しかった。
ママの人生で一番楽しかった」
と、ひっさしぶりに
とびっきりの笑顔で言った。

入院前に、意識がしっかりしているうちに
たくさん話せてよかった。

覚悟しなくては。
笑顔で見送りたい。

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