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ビール

夜、仕事から帰宅してカバンを置き
スーツを脱いでシャツのボタンを外し
台所の灯りを点け料理を始めると同時に
冷蔵庫の缶ビールを開けてプハァ〜〜〜ッ
帰宅して1分以内のアクション

母はそんな私を
「おお。やってる、やってる」
と面白そうに眺める。

アルコールを一切受け付けなくなった
母の前で飲むのは気が引けたが
変な気遣いや我慢はストレスがたまるので
遠慮なくグビグビやらせて頂く。

「全っ然、飲みたいと思わなくなったの」
と母は言う。

本当だろうか?
ビールが大好きで
今の私と同じ歳の頃は
アサヒスーパードライの大瓶を
ケースで注文し定期的に配達させてた。
毎夜、晩酌に付き合わされた。

もう、飲みたいって欲求
湧かないのだろうか?
飲むと胃痛がするから
諦めているのだろうか?

ビールの他にも、
焼肉、寿司、ラーメン、中華、ケーキ。
もう、全然食べたいと
思わなくなったのだろうか。

大好きだったモノが
食べられなくなるなんて…。
食べるために生き、
食べるために働く私には辛い…。

なんて。
そんなことを思っても
仕方ない。
知ったことではない。
(冷たい言い方に聞こえるけど
何かと自責してしまう私には
この台詞は今、とても支えになる)

母は母。私は私だ。
知ったことではない。